以下、論文紹介と解説です。
Rothbaum R, McGee JS. Aquagenic urticaria: diagnostic and management challenges. Journal of asthma and allergy 2016; 9:209.
水じんま疹(Aquagenic urticaria)のレビュー。
■ 水じんま疹(Aquagenic urticaria; AU)は物理的じんま疹の珍しい誘因のある型であり、汗や涙を含む水への皮膚曝露に反応して起こる。
■ 患者は、水との皮膚接触後20~30分以内に周囲に1~3cmの紅斑を伴う特徴的な1~3mmの中心に濾胞のある膨疹を呈する。
■ まれに、喘鳴や息切れといった全身症状を伴うことがある。
■ AUの病因は現時点ではほとんど解明されておらず、ヒスタミン依存性や独自形式の様式で媒介されるようである。
■ 診断は、水負荷試験を併用した徹底的な病歴聴取に基づく。
■ 患者によっては、他のじんま疹を除外するためにさらに検査を受ける必要がある。
■ まれに、1人の患者に複数の物理的じんま疹がみられることがあり、診断および治療に苦慮することがある。
■ 現在、AUの第一選択治療は非鎮静性第二世代H1抗ヒスタミン剤の経口投与であるが、多くの患者は十分な症状コントロールを得るためにさらなる介入を必要とする。
■ 本レビューでは、AUの診断と管理の課題を検討した。
■ AUを他の物理的蕁麻疹と区別するための主な診断的特徴をレビューした。
■ さらに、AU治療のための段階的治療およびこれらの治療を支持する理論的根拠について述べる。
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水じんま疹は、まれな疾患です。
■ 温度によるじんま疹は物理性の(刺激による)じんま疹の一つで、この病型は多いです。
■ 一方、水によるじんま疹は極めて稀です。
■ わたしも僅かな経験しかありませんが、このレビューは綺麗にまとまっていましたので、備忘録としてUPいたします。
※じんましんの教科書は少なく、下記の本が新しく出版されています(水じんま疹も載っていました)。
今日のまとめ!
✅ 水じんま疹に関するレビューを紹介した。