HPVワクチンの有害事象に関するメタアナリシス:むしろ麻痺や慢性疲労症候群に保護的な効果?

HPVワクチンの有害事象に関するメタアナリシス。

■ HPVワクチンに関しては、安全性が確立してきているといえます。日本産婦人科学会の声明では、以下のように述べられています。

平成29年11月の厚生労働省専門部会で、慢性の痛みや運動機能の障害などHPVワクチン接種後に報告された「多様な症状」とHPVワクチンとの因果関係を示す根拠は報告されておらず、これらは機能性身体症状と考えられるとの見解が発表されています。

■ 最近、Pediatr Infect Dis Jに、HPVワクチンの有害事象に関するメタアナリシスが発表されており、興味深い結果でしたのでご紹介します

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

HPV ワクチン接種後の安全性に関する研究をレビューし、自己免疫疾患やその他の希少疾患のリスクを検討した22研究のメタアナリシスを実施した。

 ✅ 麻痺 (オッズ比 [OR] 0.52 [95%CI 0.35-0.77]、免疫性血小板減少性紫斑病(OR 0.55 [95%CI 0.34-0.88]、慢性疲労症候群(OR 0.77 [95%CI 0.62-0.97])に関しては保護的な効果が検出され、橋本病(OR 1.25 [95%CI 1.09-1.44]、レイノー病( OR 1.63 [95%CI 1.21-2.20])とは正の相関が検出された。

※ HPVワクチン接種後、血小板減少性紫斑病は45%、慢性疲労症候群は33%、むしろ『減る』という意味です。

 

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