以下、論文紹介と解説です。
Szepietowski JC, et al. Face Mask-induced Itch: A Self-questionnaire Study of 2,315 Responders During the COVID-19 Pandemic. Acta Dermato-Venereologica 2020; 100.
COVID-19のパンデミック時の一般市民2315人に対し、マスク使用に伴うかゆみに関するアンケート調査を実施した。
背景
■ マスク使用に伴うかゆみについては,ほとんどわかっていない。
目的・方法
■ そこで、COVID-19のパンデミック時の一般市民のマスク使用に伴うかゆみの有病率、重症度、臨床的特徴を調査した。
結果
■ 計2,315件の回答が得られ、そのうち2,307件が最終解析に含まれた。
■ 回答者のうち1,393人(60.4%)が前の週にマスクを使用したと報告し、そのうち273人(19.6%)がかゆみを感じたと報告した。
■ 敏感肌やアトピー素因を報告した被験者、顔の皮膚疾患(にきび、アトピー性皮膚炎、脂漏性皮膚炎)を持つ被験者は、かゆみの発生リスクが有意に高かった。
■ かゆみの数値評価尺度における全群の最高評価は4.07±2.06(中等度)だった。
■ マスクを長時間着用している人ほど、かゆみを報告する頻度が高かった。
■ かゆみのある被験者のおよそ30%が、マスクを外さずに顔を掻き、またはマスクを外した後に顔を掻くと報告していた。
結論
■ マスクの着用はかゆみの発生と関連しており、掻破はマスクの誤用につながり、保護力の低下につながる可能性がある。
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過去、例がないほどのマスクの装着になり、対応はまだ、エキスパートオピニオンレベルにとどまっている。
■ この研究では、かゆみのある被験者の20%がマスクを外さずに顔を掻き、10%がマスクを外して患部の皮膚を掻いていました。
■ マスクの表面に触れたり、マスクを外したりすると、マスクの効果が低くなります。
■ この研究では、対応方法として、保湿剤が最も一般的に使用されていました。
■ 世界的にも、ここまでマスクが広く使われるようになったことはないと思われ、現状では対応策はエキスパートオピニオンしかないようです。
今日のまとめ!
✅ マスクによる皮膚炎は、長時間装着するほど多くなり、2割程度はかゆみがあると回答した。