以下、論文紹介と解説です。
Cao Y, Liu SM. Lactulose for the treatment of Chinese children with chronic constipation: A randomized controlled trial. Medicine (Baltimore) 2018; 97:e13794.
慢性便秘の小児100人を、ラクツロース群とプラセボ群にランダム化し、6週間の治療効果を比較した。
背景
■ 本研究は、中国の慢性便秘症の小児に対しラクツロースの有効性と安全性を検討することを目的とした。
方法
■ このランダム化比較試験には、計100人の慢性便秘の小児が参加した。
■ 治療群 50人とプラセボ群 50人にランダム化された。
■ 治療群はラクツロースを投与され、プラセボ群の被験者はプラセボによる介入を受けた。
■ 両群の小児は計 6 週間治療を受けた。
論文から引用。研究フローチャート。
■ プライマリアウトカムは、毎日の排便頻度だった。
■ セカンダリアウトカムは、ブリストル便形状スケール(Bristol Stool Form Scale; BSFS)で測定される便の硬さ、腹痛、腹満、有害事象だった。
■ すべてのアウトカムは、試験歌詞指示と治療6週間後に測定された。
結果
■ 6週間の投与後、ラクツロースはプラセボと比較して、腹痛(P = 0.24)および腹満(P = 0.44)を除き、1日の排便回数(P < 0.01)と便の硬さ(P < 0.01)において良好なアウトカムを示した。
論文から引用。排便頻度(上)と便の硬さ(下)が、有意に改善している。
■ さらに,すべての有害事象について,2群間に有意差は認められなかった。
結論
■ この研究の結果、中国の慢性便秘の小児に対し、ラクツロースは6週間の治療で有効であることが明らかになった。
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ラクツロースは、ポリエチレングリコール製剤よりは有効性は劣るものの、小児の慢性便秘に有効といえそうだ。
■ ラクツロースは、ポリエチレングリコール製剤(モビコール)と比較すると、やや効果は落ちるようです(Evid Based Child Health 2013; 8:57-109.)。
■ ですので、2歳以降であれば、モビコールを優先して良さそうですが、2歳以下だと使える薬剤が少なく、ラクツロースもひとつの選択肢になりそうです。
■ 一方でラクツロースは、重篤な乳アレルギーがあると稀ながらアレルギー症状を起こすことがあります(Ann Allergy Asthma Immunol 2011; 107:85.)。
■ 個人的には、病歴を十分確認をしなければいけないだろうと思っています。
今日のまとめ!
✅ ラクツロースは、小児の慢性便秘に有効である。