幼児に対するインフルエンザワクチン接種は1回か?2回か?

幼児に対するインフルエンザワクチンは、1回?2回?

■ 今シーズンのインフルエンザワクチンの確保量は約6300万人分だそうです。

■ しかし、小児に関しては13歳未満は2回が推奨されています。

生後6か月以上で12歳まで(13歳未満)では2回ずつ接種します。10月ごろに1回目を接種し、およそ2~4週間(できれば4週間)あけて2回目を接種します。13歳以上は通常1回接種ですが、2回接種することもできます(接種間隔はおよそ1~4週間)。接種量は2011年シーズンから変更されて、特に小さい子どもの量が増えました。 ・・・ 毎年、流行するウイルスの型が違い、それにあわせてワクチンがつくられています。前のシーズンに接種していても予防効果は期待できませんので、原則として毎年、2回ずつ接種しましょう。 WHO(世界保健機関)や米国では、生後6か月~8歳まで(9歳未満)は2回接種ですが、前年に2回接種している場合には1回接種をすすめています。9歳以上は毎年1回接種です。接種回数に関してはかかりつけ医とご相談ください。 インフルエンザワクチン- Know VPD!

■ すなわち、小児での2回のワクチン接種を考えると、6300万人分より少ない人数しか接種できないと見積もられます

■ 今シーズンは10月26日まで高齢者を優先して接種と厚労省から推奨がでており、小児へ十分接種できるかどうか一抹の不安があります(この推奨が正しいとは個人的にも思ってはいません…)。

季節性インフルエンザワクチン接種時期ご協力のお願い(厚労省)

■ では、幼児期のワクチンは、1回接種に節約できるのでしょうか?

■ 最近、JAMA Pediatricsに発表された報告を共有します。

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると? 米国インフルエンザワクチン効果ネットワークの5施設に受診した生後6 ヵ月~8 歳の小児7533人に対し、診断陰性例コントロール研究によりインフルエンザワクチンの有効性(vaccine effectiveness; VE)を比較したところ、

✅ ワクチンの有効性(vaccine effectiveness; VE)は、
完全ワクチン接種で51%(95%CI 44%~57%)、部分ワクチン接種で41%(95%CI 25%~54%)だった。
 ✅ 生後6ヵ月~2歳の小児では、2回接種によるVEは53%(95%CI 28%~70%)、1回接種のVEは23%(95%CI -11%~47%)だった。
 ✅ 2回接種群は、1回接種群に比べてインフルエンザ陽性となる可能性が低かった(修正オッズ比 0.57;95%CI 0.35~0.93)。 

※この研究は8歳以下の『初回の』インフルエンザワクチンが1回より2回接種が感染防御効果に優れるという結果ですが、『毎シーズン2回受けるべき』を示した研究結果ではありません。
そのテーマを証明するには、あるシーズンに2回接種した群に関し、その次のシーズンで1回接種か2回接種で感染防御に差があるかを検討しなければなりません。現在のところ、そのような臨床研究はないようです(後述しますが、抗体の上昇は良いという研究結果は最近報告されています)。

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