乳アレルギーは、年齢が長じるまで持続しナッツと同様に重篤な経過をとることが増え、しかも治療に難渋する食物アレルギーと指摘されるようになっています。
■ 乳アレルギーは、世界的に問題となっています。
■ 重篤なアナフィラキシーに関しナッツ類に目が行きがちですが、現在、年齢が長じるまで持続する乳アレルギーが増え、亡くなる可能性すら指摘されるようになっているからです( Food anaphylaxis in the United Kingdom: analysis of national data, 1998-2018. Bmj 2021; 372:n733.)。
■ たしかに自然寛解するかたもいらっしゃいますが、治療に関しては難渋し予想外に症状を起こすことも多いことから、かなり治療が厳しい食品のひとつに数えられます。
■ なかなかアレルギー専門医以外にはわかっていただけない、現在『そこにある危機』のうちのひとつです。
■ そんななか、ペプチドミルク(部分加水分解乳)である『Eあかちゃん』による経口免疫療法の有効性が報告されています。
■ 簡単に翻訳して共有いたします。
※2021/4/30 一部修正しました。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
乳20mL以下で症状のある25人(1歳から9歳)を、1)部分加水分解乳(Eあかちゃん)のみ摂取群と2)加水分解乳(MA-mi)→部分加水分解乳(E赤ちゃん)にランダム化し、摂取できる乳の閾値量を比較したところ、
✅ 試験開始時から第1フェーズ終了までの閾値は、部分加水分解乳(Eあかちゃん)のみ摂取群では有意に上昇した(p = 0.048)が、加水分解乳(MA-mi)摂取群では上昇しなかった。
✅ カゼイン特異的IgE抗体価は、部分加水分解乳(Eあかちゃん)のみ摂取群において、試験開始から第2フェーズまでに有意な減少が見られた(p = 0.014)
スポンサーリンク(記事は下に続きます)