アトピー性皮膚炎のバイオマーカー『SCCA2』は、新生児乳児食物蛋白誘発胃腸症の鑑別に有用か?
■ SCCA2は、15歳以下のアトピー性皮膚炎の重症度判定に有用なバイオマーカーです。
■ 現在、汎用されている『血清TARC』もとても重要ですが、年齢が低いほど自然に高くなってしまうという特性もあるため、留意しながら使用する必要性があります。
■ それに対してSCCA2は、年齢に影響されないアトピー性皮膚炎のバイオマーカーとして注目されています。
■ ただ、現状ではまだ、TARCとの使い分けなど情報が不足しています。
■ そんななか、現在増加している『新生児乳児食物蛋白誘発胃腸症』の鑑別に、SCCA2とTARCの比をみるのが有効ではないかという報告がありましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
FPIES患者11人と年齢をマッチさせたアトピー性皮膚炎患児42人の21エピソードから、血清中のTARCとSCCA2濃度を測定し、さらにそれらの値と相対比を群間で比較したところ、
✅血清TARC値の中央値(四分位範囲[IQR])はFPIES群がアトピー性皮膚炎群より有意に高かった(2,486[1,815-4,097]pg/mL; 1,451[1,201-1,751]pg/mL; それぞれp = 0.002)。
✅FPIES群とAD群のTARC値に有意差はなかったが、TARC/SCCA2比はFPIES群で有意に高値だった。