食物経口免疫療法は、小児で研究がすすんできているものの、成人の報告は限られている。
■ 一般的に、新規の治療は、まず大人で実施されて小児に降りてくるというケースが多いのですが、経口免疫療法は小児で研究が進んでいます。
■ おそらく今後、標準化が進んでくることも予想されますが、当面は研究目的でしょう。
■ このような状況ですので、成人に対する研究結果は乏しい状況でした。
■ そのようななか、Allergy誌に成人に対する経口免疫療法のレトロスペクティブ研究が公開されましたので共有します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
17歳以上の食物アレルギー患者に対する食物経口免疫療法の有効性とリスクを、カルテからレトロスペクティブに分析したところ、
✅ 成人の大多数(61.5%)が脱感作されたが、小児(73.4%,p=0.013)と比較し脱感作の割合は有意に低かった。
✅牛乳経口免疫療法を受けた成人(28.3%)は小児(14.3%、p = 0.015)や青少年(14.1%、p = 0.022)より有意に多く治療に失敗したが、他の食品の経口免疫療法を受けた成人の失敗率は小児や青少年と同程度だった。