ステロイド忌避スコア(TOPICOP)は異なる国で使用できるか?

Stalder JF, et al. Topical corticosteroid phobia in atopic dermatitis: International feasibility study of the TOPICOP score. Allergy 2017. [Epub ahead of print]

topic ― ステロイド嫌いは普遍的です。

■ ステロイド忌避は決して珍しくはありません。

■ TOPICOPスコアは、ステロイド忌避を測定する質問表評価です。これが多国籍間で使用できるかどうかを確認した研究結果をご紹介いたします。

PECO
P: 15カ国のアトピー性皮膚炎患者もしくはその両親または保護者1564人
E: 翻訳されたTOPICOPアンケート
C:
O: TOPICOPアンケートの実行可能性と忍容性に関する意見

 

結局、何を知りたい?

 ✅TOPICOPが国が違っても使用できるかということを知ろうとしている。

 

結果 ― ステロイド嫌いを数値化するアンケート、TOPICOPは言語・国が違っても使えるか?

■ 回答者の81%がアンケートが明瞭であると答え、79%がアンケート完了までに5分もかからないと回答した。TOPICOPアンケートの個々の項目はそれぞれ、参加者の49%〜74%が回答することがまったく困難ではないと回答した。

■ 全世界におけるTOPICOPスコアは44.7%±20.5だった。

■ TOPICOPの平均サブスコアは、知識と信条が37.0±22.8%、心配が54.7±27.8%、行動が50.1±29.1%だった。

■ サブスコアは必ずしもパラレルに変化するわけではなく、各国のTCS恐怖症や使用者のレベルが異なることを示唆しており、全体のスコアやサブスコアは国によって異なった。

結局、何がわかった?

 ✅TOPICOP(ステロイド忌避のアンケート調査基準)は、翻訳して使用できるが、国によってスコアやサブスコアは異なった。

 

コメント ― TOPICOPは国が違っても有用。

■ ステロイド忌避は、多かれ少なかれ患者さんにはあるものと思っています。TOPICOPはその一助になると思います。ステロイド忌避は当然でもあると思います。

■ アトピー性皮膚炎がある程度は自然軽快傾向があることも事実でしょう。

2歳未満に発症したアトピー性皮膚炎の予後: コホート研究

■ とはいえ、一方で、2歳未満で発症した児が成人まで長期化し、成人のアトピー性皮膚炎患者さんで最も大きいグループを形成することになるようです。

成人アトピー性皮膚炎の病型分類: 横断研究

■ 不十分な治療でアトピー性皮膚炎を長期化することでアレルギーは大きく悪化することもまた確かです。アトピー性皮膚炎が重症であるほど、低年齢で発症するほど、期間が長くなればなるほど、他のアレルギー疾患の発症リスクも、増悪リスクも上がります。

アトピー性皮膚炎を低年齢で発症し重症度が高いほど、食物アレルギー発症が多い: コホート研究

アトピー性皮膚炎は食物アレルギーの原因になる: システマティックレビュー

より早期に、長期間湿疹が続いたほうが、その後の喘息の発症が多い?

■ 結局、アトピー性皮膚炎を患う期間をできるだけ短く、重症度を低くする必要性があり、そのためにはステロイド外用薬をどううまく使いながら保湿剤中心の状態に持ち込んでいくかが重要になります。ステロイド外用薬に対する恐れと十分な知識をもち、スキンケア指導をおこたらないように対処して行きたいと思っています(毎回全てがうまくお話できるとは限らないですけど、、)。

 

 

今日のまとめ!

 ✅TOPICOPはそれぞれの国で翻訳して使用できそうだ。

 

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