Yepes‐Nuñez JJ, et al. Vitamin D supplementation in primary allergy prevention: Systematic review of randomized and non‐randomized studies. Allergy 2018; 73(1): 37-49.
ビタミンDとアレルギー疾患。
二重抗原曝露仮説は有名になったけど、最近の米国免疫アレルギー学会雑誌にの総論に、衛生仮説とビタミンD仮説が加わってきたからね。
新しい論文があると、みてしまうんだ。
それで、やっぱりビタミンDはいいって話になってきているの?
最近、メタアナリシスがAllergyに発表されていたのでみてみようか。
アレルギー予防に対するビタミンD内服の有効性や安全性のメタアナリシスを実施した。
背景
■ これまで、ビタミンDとアレルギー疾患発症との関連性に対するエビデンスのシステマティックレビューは行われていない。
目的
■ 妊婦、授乳婦、乳幼児、小児に対するアレルギーの予防のために、ビタミンDサプリメントの内服なしと比較した場合のビタミンDサプリメント内服の有効性や安全性を検討する。
方法
■ 2016年1月30日まで、ランダム化試験(randomize; RCT)および非ランダム化試験(nonrandomized studies ;NRS)に関して3つのデータベースを検索した。
■ 2人の査読者は、データを個別に抽出し、Grading of Recommendations Assessment, Development, and Evaluation(GRADE)アプローチのグレーディングを使用し、エビデンスとなる資料の確実性を評価した。
結果
■ 特定された1932報告から、ランダム化試験(RCT) 1報告、非ランダム化試験(NRS) 4報告が適格だった。
■ 調査された研究において、妊婦、母乳育児中の母、乳児に対するビタミンDサプリメント内服が、アトピー性皮膚炎(妊婦)、アレルギー性鼻炎、喘息および/または喘鳴(妊婦、授乳中の母、乳幼児)、食物アレルギー(妊婦)に対して非常に低いエビデンスがあった。
■ 小児のアレルギー性疾患に対する一次予防に関する研究は見つからなかった。
結論
■ ビタミンDサプリメント後のアレルギー疾患の一次予防に対しての情報は限られており、その潜在的な影響については不確実なままである。
結局、何がわかった?
✅ビタミンDによるアレルギー疾患予防を検討したランダム化試験 1報告、非ランダム化試験 4報告のメタアナリシスを実施したが、予防効果に関してはまだ弱いエビデンスしかなかった。
ビタミンDのアレルギー疾患一次予防では、まだ結論がでていないようだ。
■ ビタミンDに関しては、アレルギー予防や治療に「良い」とする報告もおおいのですが、現状では一次予防の側面ではまだ、結論できないようです。
今日のまとめ!
✅アレルギー疾患の一次予防に関し、ビタミンDの効果は未確定のようだ。