「ビタミンD仮説」というアトピー性皮膚炎の発症因子は、日照時間から推論されていました。
■ 「ビタミンD仮説」は、最初は疫学的な研究から推論されています。
■ 例えば、米国のなかでも北のほうがエピペン(アナフィラキシー時に使用する緊急薬)の処方率が高いなどです(Mullins RJ, et al. Curr Allergy Asthma Rep 2012; 12:64-71)。
■ これは、北の方が日照時間が短く、ビタミンDの産生量が少なくなるからかもしれないと考察されてきました。
■ そこで、「ビタミンD仮説」が提唱されることになりました。
du Toit G, et al., J Allergy Clin Immunol 2016; 137:998-1010.から引用。上部の太陽のイラスト部分が「ビタミンD仮説(VITAMIN D HYPOTHESIS)」。
■ しかし、ビタミンD内服によるアトピー性皮膚炎発症予防に関しては、結論がでていませんでした。
■ そんな中、興味深い結果が報告されましたのでご紹介します。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
✅ 生後3か月(P <0.01)と生後6か月(P = 0.02)では、ビタミンD内服群の方がプラセボ群よりもビタミンD値が高かった。しかし、アトピー性皮膚炎の発生率に有意差はなかった。
✅ 湿疹のある乳児(中央値 555 ジュール/m2 [J/m2; 四分位範囲 322-1210 J/m2])は、湿疹のない乳児(中央値 998 J/m2 [四分位範囲 676-1577 J/m2])と比較して、紫外線曝露量が少なかった(P = .02)。
論文から引用。ビタミンD内服の有無ではアトピー性皮膚炎の発症率に差はなかったが、紫外線曝露量では有意差があった。
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