以下、論文紹介と解説です。
Smith JM, et al. Clinical significance of skin reactions to mite extracts in children with asthma. Br Med J 1969; 2:723-6.
バーミンガムにおいて、喘息児がダニに対して皮膚テスト陽性かどうかが調査された。
■ ダニであるDermatophagoides pteronyssinusは、喘息に罹患しているバーミンガムの子どもの家のホコリの中で確認されている。
■ 喘息の小児150名を対象に、D. farinaeの近縁種であるD.pteronyssinus、ハウスダストに見られる他のダニ、粗製ハウスダストの抽出物を用いて皮膚テストが実施された。
■ D.pteronyssinaeに対する陽性反応はしばしば得られ、他の抽出物に対する陽性反応よりも大きかったが、皮膚テストにおいて、D.farinaeはD.pteronyssinaeの適切な代替物であると考えられた。
■ ダニ抽出物とアレルゲン抽出物を用いた喘息の小児302人を対象にした別の試験では、ダニ抽出物に対しての反応がアレルゲン抽出物に対する反応よりもはるかに多かった。
■ 皮膚反応(径5mm以上)は、通年性喘息もしくはハウスダスト感受性のあるという既往歴がある小児の77%にみられた。
■ したがって、チリダニ(特にD.pteronyssinus)に対するアレルギーは小児喘息においてとても重要であり、ホコリの中のダニの生態と制御に対し、さらなる研究が望まれる。
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喘息に対して、ダニが重要であることがわかっているものの、環境整備の重要性に関してはまだ論争が残る。
■ 個人的には、喘息に対する環境整備は重要であると思っていますが、最近のシステマティックレビューでは、重要性が低いと結論されています。
■ しかし、十分にダニを減らした研究では有効性が認められており、『汚染された環境で』『十分減らすことができた』場合には有効なのだろうと考えています。
■ 今後、どのように効果的に必要な環境に、効果的な環境整備をしていくかが注目されていくでしょう。
今日のまとめ!
✅ ダニが喘息に対し重要であることを報告した、初論文を紹介した。