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Leas BF, et al. Effectiveness of indoor allergen reduction in asthma management: A systematic review. J Allergy Clin Immunol 2018; 141:1854-69.

環境整備は、喘息治療に有効か?

うさみん
ほむほむ、喘息って、掃除は本当に有効なの?

ほむほむ
実は、その質問の答えは簡単ではなくて、例えば環境整備に関するランダム化比較試験で効果を否定している報告もあるんだ。

うさみん
ランダム化比較試験で否定されているんじゃあ、役に立たないっていえるんじゃない?

ほむほむ
それが単純じゃあないんだ。
そのランダム化比較試験では、環境中のダニの量が、明らかに本邦より少ないんだ。 例えば試験開始時のダニアレルゲン量(Der f1)がコントロール群 0.06μg/g 、介入群0.07 μg/gだったんだ。本邦だと10μg/gを超えるから、1/10以下という量になってしまう。

ほむほむ
そして、環境要因が強い状況を選択すると、環境整備が有効かもしれないという報告もあるんだ。
たとえば、最初にゴキブリが多い環境に対してゴキブリを駆除すると喘息が改善すると言った研究や、ネズミの駆除をすると有意差はなかったけど、ネズミ抗原が半分に減ると気管支拡張薬の使用量が有意に減った、という報告もある。

ほむほむ
ダニに関しても、高密度繊維カバーが有効だったと言う報告もあるね。

うさみん
それまたややこしい状況ですね、、

ほむほむ
そうなんだ。
僕は環境整備は重要と考えているけど、環境に応じるから確定的なことは言えないと思っている。
高密度繊維カバーも高価だし、全員に勧めるようなことはしていないんだ。
で、このテーマで最近、システマティックレビューが発表されていたので紹介しよう。

 

アレルゲンを低減させる環境整備が喘息に有効かを評価したランダム化試験59件と非ランダム化試験8件のシステマティックレビューを実施した。

背景

■ このレビューは、更新されたNational Asthma Education and Prevention Program臨床実践ガイドラインを通知するものである。

 

目的

■ 我々は、喘息の転帰に対し、アレルゲンを低減させる介入が有効かを評価することを試みた。

 

方法

■ 「gray literature(灰色文献)」と5つの文献データベースをシステマティックに検索した。

管理人注
灰色文献とは、一般の出版ルートで入手が困難な文献のことです。

■ 適格であった試験には、システマティックレビュー、ランダム化比較試験、ランダム化介入試験が含まれた。

■ バイアスリスクは、Cochrane バイアスリスク法とNewcastle-Ottawaスケールを使用して評価した。

■ エビデンスベースは、医療研究・品質調査機構のエビデンスベースのPractice Center programのアプローチを使用して評価された。

 

結果

ランダム化試験59件と非ランダム化試験8件、8種類の介入を対象とした。

■ すなわち、殺ダニ、空気の浄化、カーペット除去、高効率微粒子空気ろ過吸引(high-efficiency particulate air filtration; HEPA)、マットレスカバー、カビ除去、有害生物駆除、ペット除去など、8種類の介入を検討したランダム化試験と非ランダム化試験である。

■ 37研究では単一の方法による介入が評価され、30件では複数の方法による介入が評価された。

■ 異種性はメタアナリシスを妨げた。

多くの介入と結果について、エビデンスベースでは確定的ではなかったし、効果を認めなかった

■ 検証された喘息管理尺度、または肺生理機能の改善に関連した介入はなかった。

■ HEPAによる吸引、有害生物駆除によるコントロール(両者ともに中程度のエビデンス[strength of evidence; SOE])を含む複数の方法で介入した試験では喘息増悪が減少した。

空気清浄機(SOE:低)、HEPA吸引(SOE:中程度)、有害生物駆除(SOE:低)を含む複数の方法による介入試験において、QOLが向上した。

 

結論

単一の方法による介入は、一般的に喘息対策の改善に関連しておらず、大部分の介入は確定的でない結果を示している、もしくは効果を示さなかった

複数の方法による介入は様々な喘息のアウトカムを改善したが、特定の介入の組み合わせがより効果的とは示していないようである。

■ 研究の不足のために、エビデンスはおおむね決定的とはいえなかった

■ 妥当性の確認された喘息測定方法に対する屋内アレルゲンの低減における介入効果を比較するためには、臨床的に有意な差異を検出するのに十分な集団サイズで、さらなる研究が必要である。

 

結局、何がわかった?

喘息に対する環境整備(殺ダニ、空気の浄化、カーペット除去、高効率微粒子空気ろ過、マットレスカバー、カビ除去、有害生物駆除、ペット除去)に対し、 

 ✅単一方法による介入は、喘息改善に関連しておらず、多くは確定的でない結果もしくは効果を認めなかった。

 ✅複数の方法による介入は様々な喘息の指標を改善したが、特定の介入の組み合わせがよりよいとは判明しなかった。

 

 

環境整備の有効性ははっきりしていないようだが、複数の方法で介入すると有意な効果があるという報告がある。

■ 複数の方法で介入すると良いという結果でしたが、介入前に環境要因が多い場合にも有効だろうと考えます。

■ 前後の環境の差が大きく変わると、治療アウトカムが変わる、そういう風に読めるのではないでしょうか。

■ 個人的には、環境整備は重視しています。というのも、低年齢での感作は特に、その先のアウトカムに大きな影響を及ぼしうるからです。

■ 特に低年齢の感作は、喘息発症に強く影響しますので、「感作前に動く」のがいいのでは、、そう思っていますが、エビデンスはまだ不十分と言えましょう。

 

今日のまとめ!

 ✅喘息に対する環境整備の有効性は十分判明していないが、複数の方法で介入すると有効という結果を導いている報告が多いようだ。

 

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