デンマークにおけるHPVワクチンに対する否定的なメディアによる接種率低下は、国をあげてのキャンペーンで回復した

デンマークでは、メディアの否定的な報道でHPVワクチンの接種率が下がったことがある。

■ 日本でのHPVワクチン接種率の低下は目を覆う状況であり、『すでに』子宮頸がんで多くの方が亡くなる可能性が試算されています。

■ 5年以上かけて9価ワクチンが認可され、状況が変わろうとしています。

■ 日本ほどではありませんが、メディアによるネガティブな報道により接種率が下がった国がデンマークです。

■ しかし、現在は接種率は回復しています。どのような経過をとったかをみた研究をご紹介します。

 

 

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

デンマークで生まれた 12~15 歳のすべての女児 328,779人を対象に、HPVワクチンに対するメディアの否定的な報道と、その後の国家キャンペーンの有効性に関し
①HPVワクチンが国家プログラムで他のワクチンの接種率に到達(2009年)、②HPVワクチン接種に関する否定的な一部のメディア報道(2013年)、③広範囲の否定的なメディア報道(2015年)、④ワクチンの安全性と有効性に関する全国的な情報キャンペーン(2017年~2019年)にわけて検討すると、

 ✅ ②のメディアで否定的な報道があった期間には、HPVワクチン接種率は83.6%(95%CI 78.0%-89.7%)まで低下し、③広範囲のメディアの否定的な報道で49.6%(95%CI 44.5%-55.2%)にまで低下し、④のキャンペンで元の水準まで回復した。

 ✅ メディアの否定的な報道がなく接種率が低下しなかった場合と比較すると、推定26,000人の女児がワクチン接種が減ったと考えられた。

 

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