HPVワクチンは、慢性疲労症候群・複合性局所疼痛症候群(CRPS)・体位性起立性頻拍症候群(POTS)などの発症リスクを増やさない

HPVワクチンの有害事象を心配する向きは決して少なくありませんが、最近、BMJ誌にそのリスクを増やさないという大規模研究の結果が発表されました。

■ HPVワクチンによる子宮頸がんの予防に関しては、最近大規模な研究結果が発表され、とくに17歳未満で接種するとより大きな効果が得られることが更にはっきりわかってきました。

■ しかし、HPVワクチンの安全性に関して心配される方はいまだに少なくありません。

 

■ HPVワクチンと心配される有害事象に関しては、すでに最近、Pediatric Infectious Disease Journal誌に発表された22研究のメタアナリシスの結果、特にリスクの増加は見られない(麻痺や慢性疲労症候群に関してはむしろ保護的な効果がみられる)という報告がなされています。

■ そして、ごく最近になってBMJからも4価HPVワクチンによるデンマークからの大規模研究試験の結果が報告されました。

 

※コメントをいただき試験→研究に用語を修正しました。

この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?

デンマークにおける全国登録により特定された、4価HPVワクチンの接種をした10歳から44歳の女性参加者1,375,737人からの869人の自律神経機能障害(慢性疲労症候群・複合性局所疼痛症候群・体位性起立性頻拍症候群)869人に関するHPVワクチンとの関連を調査したところ、

 ✅ 4価HPVワクチン接種は、接種後 365 日のリスク期間における自律神経機能障害に関するすべての症候群(慢性疲労症候群・複合性局所疼痛症候群[CRPS]・体位性起立性頻拍症候群[POTS])の複合的なリスクを増加させなかった(率比 0.99; 95%信頼区間 0.74~1.32)。

 ✅ 4価HPVワクチン接種は、接種後 365 日のリスク期間におけるそれぞれの症候群の率も増加させなかった(慢性疲労症候群[率比 0.38; 0.13~1.09]、複合性局所疼痛症候群[率比 1.31; 0.91~1.90]、体位性頻拍症候群 [率比 0.86; 0.48~1.54])。

 

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