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食物アレルギー治療の標準化が求められています。

■ 食物アレルギー治療、とくに経口免疫療法(すこしずつ食べていき量を増やす方法)はまだまだ研究段階であり、標準化がもとめられています。

■ そのうち、ピーナッツに関してはAR101という製品が先行していました。

■ そして、そのAR101のランダム化比較試験がNEJMに発表されました。

 

 

Vickery BP, et al. AR101 Oral Immunotherapy for Peanut Allergy. N Engl J Med 2018; 379:1991-2001.

4~55歳のピーナッツアレルギー患者551人(うち4~17歳 496人)に対し、ピーナッツ蛋白300mg/日を24週間投与し、ピーナッツ蛋白600mgの負荷を行った。

背景

■ ピーナッツアレルギーは承認された治療法がなく、予測できない、時に生命き関わるアレルギー反応のリスクがある患者に影響する。

 

方法

■ 第3フェーズ試験において、ダブルブラインドプラセボ対照食物負荷試験で、ピーナッツタンパク質100mg以下(ピーナッツの実 約3分の1)の負荷量でアレルギー症状のある4〜55歳のピーナッツアレルギー患者をスクリーニングした。

■ アレルギー反応のある参加者は、3:1でランダム化され、AR101(ピーナッツ由来の研究用経口免疫療法薬)またはプラセボの用量漸増プログラムを受けた。

投与計画(300mg/日 約24週間の維持療法)を完了した参加者は、試験終了時にダブルブラインドプラセボ対照食物負荷試験を受けた。

■ 有効性に関するプライマリエンドポイントは、用量を制限する症状なしに負荷用量 600mg以上を摂取できるた4〜17歳の参加者の割合だった。

 

結果

AR101またはプラセボを投与された551人の参加者のうち、496人が4〜17歳だった。

プラセボを投与された124人のうち5人(4.0%)、AR101を投与された 372人のうち250人(67.2%)が、600 mg以上のピーナッツ蛋白質を摂取できた(difference, 63.2%ポイント; 95%信頼区間 53.0〜73.3; P <0.001)

■ 介入終了時の食物負荷試験における症状の最大の重症度は、AR101群の25%、プラセボ群の59%が中等症であり、5%、11%が重症だった。

■ 介入期間中の有害事象は、4〜17歳の参加者の95%以上に出現した。

■ AR101群のうち計34.7%、プラセボ群の50.0%に軽度のイベントがあり、59.7%と44.4%は中等症と評価されたイベントがあり、4.3%と0.8%のイベントは重症と評価された。

■ 18歳以上の参加者には有効性が示されなかった。

 

結論

■ ピーナッツに強いアレルギーのある小児および思春期の経口免疫療法における第3相試験において、AR101での介入により、介入終了時において、用量を制限する症状なく摂取できるピーナッツ蛋白質の用量増加が得られ、ピーナッツ曝露時の症状の重症度はプラセボよりよりも低くなった。 (Funded by Aimmune Therapeutics; PALISADE ClinicalTrials.gov number, NCT02635776 .).

 

結局、何がわかった?

 ✅ ピーナッツ経口免疫療法における標準製剤AR101を用いて24週間維持して摂取を続けた後にピーナッツ蛋白量600mgで負荷試験を行うと、 プラセボを投与された124人のうち5人(4.0%)、AR101を投与された 372人のうち250人(67.2%)が、600 mg以上のピーナッツ蛋白質を摂取可能となった(difference, 63.2%ポイント; 95%信頼区間 53.0〜73.3; P <0.001)。

 

 

これから食物アレルギーの標準的治療が加速していくかもしれない。

■ ピーナッツは、微量でも増やさずに同量で継続摂取していると摂取量が増えてくることはある程度分かっていました。

■ それが「標準的な製剤」が提示できるようになったという点が大きな進歩と言えます。

■ これらが卵や乳などに拡大していくことが望まれますが、先行研究から考えると乳は工夫しないとリスクが高いもしくは治療が難しいかもしれません。

■ また、18歳以降は参加者が少なかったとはいえ、効果が認められませんでした。

■ この、年齢が高くなってからの有効性が低下するという結果は、経皮免疫療法でも報告されています。

■ 個人的には、免疫療法は早ければ早いほど有効と考えていますが、摂取時の症状を自分で表現しにくい年齢での治療はまたリスクをはらむといえましょう。

 

今日のまとめ!

 ✅ ピーナッツにおける経口免疫療法の標準的製剤AR101の大規模ランダム化比較試験の結果が報告された。

 

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