発酵食品は、アトピー性皮膚炎の発症を予防する?

発酵食品を摂取するとアレルギーを抑制する?

■ 発酵食品を摂取しているとアレルギー疾患を予防する可能性が指摘されています。

■ 今回はトルコからの症例対照研究による報告です。

 

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Celik V, et al. Do traditional fermented foods protect against infantile atopic dermatitis. Pediatric allergy and immunology 2019. [Epub ahead of print] PMID: 30801810

アトピー性皮膚炎のある児84人、56人の同年齢の健康小児を比較して、発酵食品摂取とアトピー性皮膚炎の関連を検討した。

背景

■ 妊娠中の環境要因や食事要因が乳児期のアトピー性皮膚炎(atopic dermatitis; AD)の発症に影響を与える可能性がある。

■ この研究では、妊娠中のトルコにおける発酵食品(fermented foods ; FF)の母による摂取やその他の要因が、生後2歳までのAD発症に影響を与えるかどうかを分析した。

 

方法

医師により診断されたADのある児84人(生後2〜24ヶ月齢)とその母親、ならびに56人の同年齢の健康小児およびその母親が調査された。

■ 医師が実施したアンケートは、妊娠中の母親のFF摂取量を後ろ向きに調査された。

■ 選択された8種類のトルコにおけるFFの摂取頻度は、1)毎日、2)毎日未満のいずれかに分類された。

■ その他の人口統計学的および環境的リスク要因も分析された

 

結果

対照群のなかのヨーグルト・発酵オリーブ・チーズを毎日摂取していた母は、AD群よりも有意に多かった(それぞれp <0.001; p = 0.017; p = 0.011)

環境中の喫煙(environmental tobacco smoking; ETS)曝露は、対照群よりもAD群でより一般的だった(p = 0.025)

■ 多変量ロジスティック回帰分析において、妊娠中の母親に対するETS曝露は乳児ADのリスク増加と関連し、ヨーグルトの毎日の摂取はリスクの低下と関連していた(それぞれのオッズ比 [OR] 2.60; 95%信頼区間 [CI] 1.11-6.1、およびOR 0.22; CI:0.09〜0.54)

■ 妊娠中に消費されたFFの多様性は、乳児のADに対して保護的な効果があることがわかった(OR:0.27、CI:0.14-0.53)。

 

結論

■ 妊娠中の母親の毎日のヨーグルト摂取、トルコにおける摂取されたFFの多様性は、ADのリスクを減らす可能性がある。

■ 母親へのたばこ煙への曝露は、乳児のADのリスク増加と関連している。

 

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結局、何がわかった?

 ✅ 喫煙にさらされているのは、アトピー性皮膚炎群でより一般的だった(p = 0.025)。

 ✅ 妊娠中の母親がヨーグルトの毎日摂取すると、児のアトピー性皮膚炎のリスク低下と関連した(オッズ比 0.22; CI:0.09〜0.54)。

 

 

発酵食品の報告は多くで始めていますが、まだ推論の域は出ていません。

■ 症例対照研究であるうえ例数が少ないためエビデンスレベルは高くはありませんが、このテーマの報告は最近多いようです。

■ どれも観察研究がメインですので結論をだすことは難しいのですが、「発酵食品を摂取して悪くはない」でしょう。

 

 

今日のまとめ!

 ✅ 母の発酵食品は児のアトピー性皮膚炎発症を減らし、喫煙曝露は児のアトピー性皮膚炎発症を増やすかもしれない。

 

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