保湿剤によるアトピー性皮膚炎発症予防が注目されていますが、対象をどこまで一般化できるかが争点となりつつあります。
■ 保湿剤によるアトピー性皮膚炎予防は、まず2014年に「ハイリスクの新生児に対する検討として」、2本の研究結果が報告されました。
■ 両方とも、アトピー性皮膚炎の発症を3割~5割低下させるという結果でした。
■ さらに最近、やはり「ハイリスクの新生児に対して1日2回1回6g以上の保湿剤を塗ると」、感作も予防できる可能性を示唆した報告がなされています。
■ しかし、これらの検討は「ハイリスクの新生児」に対しての検討であり、一般新生児に対しても有効かどうかは不明でした。
■ 最近、「一般新生児に対する」いくつかの大規模試験の結果が判明しつつあり、そのうちのひとつは日本からの検討でしたが、やや残念な結果でした。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
一般新生児計459人に対する保湿剤の塗布とシンバイオティクス内服が、1歳までのアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの予防に有効かを検討したところ、
✅ 新生児期からの保湿剤使用もシンバイオティクス内服も、1歳までのアトピー性皮膚炎や食物アレルギーの発症予防への効果を示さなかった。
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