花粉-食物アレルギー症候群に対し、経口免疫療法は有効か?
■ 花粉食物アレルギー症候群(Pollen food allergy syndrome; PFAS)は、花粉に感作されてから交差している果物や野菜などにアレルギーを起こすようになる疾患で、以前は口腔アレルギー症候群(OAS)の範疇であった疾患です。
■ 現状では『特殊型食物アレルギーの診療の手引き2015』にあるように、『原因食品を摂取しないことが原則』になります。
■ しかし一方で、シラカバ花粉に対しアレルギー⇒リンゴアレルギーとなった場合に、リンゴの摂取でリンゴが食べられるようになったという報告もあります。
■ このテーマに関し、最近システマティックレビューが発表されました。
この論文でわかったことを、ざっくりまとめると?
花粉食物アレルギー症候群に対し、1) 食事除去のアドバイス、2) 経口免疫療法(OIT)、3) (熱)処理、4) 低アレルゲン品種の摂取を検討した報告に関してシステマティックレビューを実施したところ、
✅ リンゴに対する経口免疫療法に関する2研究(92人)は、耐性が63%/81%で誘導された。
✅ 加熱処理は、ヘーゼルナッツアレルギー患者の15~71%、セロリアレルギー患者の46%において症状を無くした。
✅ 低アレルギー性と高アレルギー性のリンゴ品種を比較した4研究(60人)は、サンタナ種(おそらくエリーゼ種も)がゴールデンデリシャスよりも反応が軽いことを示した。
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