Ng JP, Liew HM, Ang SB. Use of emollients in atopic dermatitis. J Eur Acad Dermatol Venereol 2015; 29:854-7.

https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/25444256

 


最近、アトピー性皮膚炎に対するスキンケアや保湿剤の論文をよくUPさせていただいています。最近のご紹介を概観しても、

総論的

 ・ドライスキンに対する保湿剤使用のコンセンサス声明

ドライスキンに対する保湿剤使用のコンセンサス声明

 ・保湿剤の臨床効果: システマティックレビュー

保湿剤の臨床効果: システマティックレビュー

保湿剤同士に関しての比較

 ・保湿剤同士の比較試験

保湿剤同士の比較試験

洗浄に関して

 ・洗浄に関して、陰イオン界面活性剤は皮膚のバリア機能を傷害するかもしれない

陰イオン界面活性剤は皮膚のバリア機能を傷害するかもしれない

 ・アトピー性皮膚炎治療に対し、入浴頻度は重要か?

アトピー性皮膚炎治療に対し、入浴頻度は重要か?: レビュー

 ・アトピー性皮膚炎児の毎日の入浴を、専門医は推奨しプライマリケア医は推奨しない

アトピー性皮膚炎児の毎日の入浴を、専門医は推奨しプライマリケア医は推奨しない: ウェブベースの横断研究
保湿剤と感染症

 ・保湿剤塗布は、皮膚細菌叢の改善に働く

軽症アトピー性皮膚炎児に対する保湿剤塗布は、皮膚細菌叢の改善に働く: ランダム化比較試験

 ・ワセリンは、皮膚の抗菌作用と表皮バリア機能を改善させる

ワセリンは、皮膚の抗菌作用と表皮バリア機能を改善させる

 ・アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症以外の感染症のリスクも上げる

アトピー性皮膚炎は、皮膚感染症以外の感染症のリスクも上げるかもしれない: 横断研究

患者教育

 ・患者教育は、生活の質や重症度を改善する

慢性皮膚疾患に対する患者教育は、生活の質や重症度を改善する: システマティックレビュー

 ・スキンケア方法を書いて説明したほうが症状が改善する

アトピー性皮膚炎児に対し、スキンケア方法を書いて説明したほうが症状が改善するかもしれない

 といったところでしょうか。

自分自身が保湿剤のレビューを書いているからなのですが、今回はレビューのご紹介です。


 

まとめ

 

■ 2013年12月14日から2013年12月21日までにPubMedで“Atopic Dermatitis (MESH)” と“Emollients (MESH)”を検索、Googleで “Atopic Dermatitis”, “Ezcema”, “Emollients”、“Prevention”を検索

2014年9月12日と2014年9月14日にPubMedで“Stratum Corneum Lipids”を検索  

■ 最終的に収集された論文49本

■ アトピー性皮膚炎(AD)は、経済的・心理的に影響を持つ一コモンな炎症性皮膚疾患である。 オーストラリアにおける研究は、インシュリン依存性糖尿病児で比較して、中等度から重症ADの児のほうが有意にストレスを感じることを示している。

■ フィラグリンタンパク質をコード化している遺伝子変異は、不完全な表皮への遺伝因子になると考えられていおり、AD児のおいて、TEWLを皮膚バリア機能不全の指標としたとき、疾患重症度と相関することが示唆されている。

■ 保湿剤は、急性期でも寛解期のでも第一選択となる治療法である。 保湿剤は、皮膚の柔らかさと水分補給を維持するために閉塞性および/または湿潤効果をもたらす局所製品であり、最近、生理的脂質のような物質を含有されている。これらの追加は、概してAD治療(加湿・消炎・かゆみ止め・抗生物質)を目的とする。

■ 保湿剤を塗布しない入浴は、皮膚水分補給を減少させるため、保湿剤は、入浴後に使用されなければならない。しかしながら、入浴後、すぐ塗布する場合と、30分後に塗布する場合では、90分間の水分補充に関して有意差が認められなかった。そのため、入浴後すぐさまに使用する必要性には、議論の余地がある

保湿剤の使用頻度は決定されていないが、1日複数回の使用が勧められる理想的には、患者のコンプライアンスと臨床的有効度におけるバランスで提供されなければならない

ステロイドを減量する効果を調査する際、皮膚保湿剤の製剤と組成の違いを考慮することが重要である。

保湿剤はステロイド外用薬を減量する可能性があるが、より良質な設計の研究によって結論付けられるべきである。 現状では、1週間あたり250-500gの保湿剤が使用されるよう勧められる

また、ハイリスク乳児に対する保湿剤の定期的使用によるアトピー性皮ふ炎の一次予防は、エビデンスが不足しているため推奨されない。

 

 

コメント

 

2015年のレビューですが、保湿剤によるADの一時予防に関しては、Simpsonらの2010年の観察研究が引用されており、本邦とSimpsonらのランダム化比較試験が発表されたのが2014年ですので、その前のレビューです。

保湿剤の使用量など参考にできる箇所がたくさんあります。”入浴後すみやかな保湿剤塗布”は一般的によく指導されますが、そこにはあまりエビデンスがないのかな?

 

 

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